あなたのMY REBORN 「思い出づくり」のはずが、40年続く歌人生を作った ――ポプコングランプリ受賞が変えた運命

各界のプロフェッショナルにMY REBORN(人生のターニングポイント)を伺うこの企画。1回目に登場していただくのはChageさんです。Chageさんにとって昨年は還暦、そしてソロ活動20周年という節目の年でした。続く今年はデビュー40周年と、記念の年が続きます。8月7日には3年ぶりの新譜「feedback」がリリースされ、8月31日(土)からは東京、大阪、名古屋、福岡でのツアーもスタート。数々の名曲と感動を世に送り出してきたChageさんのMY REBORNとは?

あなたのMY REBORN 遠くなった昭和の音と熱を令和の時代につなげたい

遠くなった昭和の音と熱を令和の時代につなげたい
――3年ぶりのニューアルバム「feedback」はカバー曲と新曲で構成されていますね。

今回は、僕からみなさんへのお祝い返しのつもりなんです。
昨年はソロ活動20周年、そして還暦でしたので、ファンの方や周囲の皆さんにたくさんお祝いしてもらいましたから。「何がお礼になるかな」と考えた時、Chageの原点をお聞かせするのがいいかな? と思ったんですね。
僕が小学生の頃、ビートルズ旋風が吹き荒れた。まだ僕は音楽に目覚めていないのに、その楽しさを体感して「これが新しい時代の音楽だ!」とワクワクしました。あの頃、日本では「日本版ビートルズを作ろう!」としていたんです。ロックな時代ですよね。

――グループサウンズ(GS)ですね。

そうです。1960年代、テレビの向こうからしびれさせてくれたモップス、スパイダース、カーナビーツ……。カバーするにあたってはいろいろ悩みましたが、「たどりついたらいつも雨ふり」と「あの時君は若かった」それから「好きさ 好きさ 好きさ」と「悲しき願い」をメドレーにしてみようと。
この軸が決まって、新曲も60年代を意識した音作りをしたことで、非常に統一感のあるアルバムに仕上がりました。
それと、今年は平成から令和に時代が変わりましたよね。昭和が1つ、遠くなってしまったように感じて、だからこそ今、GSや当時の熱気を知らない世代、令和の時代に昭和の音を届けるのも自分の仕事なのかなとも思ったんです。

――40年目にして、Chageさんの原点を見せていただけるのは楽しみです。その40年の音楽人生で一番の転換点になったのは?

「あれがなければ、今、音楽をやっていない」という人生の一大転換点は、19歳のときです。
当時、僕は大学で留年しまして……。大学って留年するものですよね(笑)。親から「もう学費は出せない。そろそろ家業を継ぐ準備をしろ」と言われていました。実家は天ぷら屋だったんです。
それも仕方ないなと思っていたときに、『ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)』の情報を目にしまして、思い出づくりのために出ようと思ったんです。
同じ九州大会に、ASKAも出てました。あいつは最優秀歌唱賞で、「やっぱりあいつ、すげえ、やったな!」と僕は大喜びしました。そうしたらなんと、自分はグランプリだったんです。
ASKAは「あれ、なんであいつ、壇上にまで上がってくるんだろう。そんなにオレのこと喜んでくれてるのかな? 喜びすぎだろ」とか思ってたんじゃないかな(笑)。自分自身すらビックリの受賞でしたから。
すぐに親父に電話しました。「ごめん、店は継げない!」。これがなければ、東京に出ることもなかったし、40年も歌い続けることもなかったでしょうね。

――まさに大ターニングポイントですね。
その後、ASKAさんとツインボーカルでチャゲ&飛鳥(当時)として「ひとり咲き」でデビュー、翌年には「万里の河」で大ヒットを飛ばしましたね。

テレビに出たことは大きかったですね。当時は音楽番組だけで週に5つぐらいある時代でしたから。
活動10年目には半年の活動休止もあり、このときにMULTI MAXという、コード展開から色から景色から完全にビートルズに傾倒したバンドをやりました。これは完全にライブやステージ上の照明を想定しながら曲を作っていましたね。

――そして復活後の1991年に「SAY YES」、1993年「YAH YAH YAH」でダブルミリオン。やはりこれほどのヒットとなると、違った世界が見えるものでしょうか。

この経験もまた大きかったです。1万人規模の会場でこれらの曲を歌おうとすると「待ってました!」と会場からものすごいパワーがグワー−っと押し寄せてくる。
会場にいる一人一人の「SAY YES」があり「YAH YAH YAH」があって、みんなちがう色、景色をもっているんです。たとえば「SAY YES」を結婚式で流してくれた方がいるとすると、まさに人生のターニングポイントに関わっているわけで、そういう思いが僕らにバーンと向かってくる。
僕らは毎回スキルアップして、そのちがう色や景色を1つにまとめなければなりませんから。会場からのエネルギーをいったん受け止めて、こちらでアレンジして僕らの歌はこれだ! と返す。「ステージから出す『YAH YAH YAH』はこれだよ」と、みんなが頭の中で完コピしている歌を超えて、ある意味押さえつけなきゃいけないんです。

――すごいプレッシャーじゃないでしょうか?

いやいや、楽しいですよ! 
オーディエンスが求めているものと、僕らが出したいものが一致すると会場が一つになる瞬間があります。そのとき、グワワアーっと不思議なグルーヴが生まれるんです。これを経験すると、もうやめられない。音楽の虜です。

あなたのMY REBORN 「Chageバリューセット」は ソロ開始で完成

――ソロ活動は1998年からですね。ここからCHAGE and ASKAのときに定着した「サングラスと帽子」に加えてヒゲもトレードマークになりました。

はい、この3つで「Chageバリューセット」の完成です(笑)。
ソロをスタートさせるときにつくづく顔を見て「なにか足りねぇな、なんかむきたまごみたいな顔だな」と思いまして。
ある時、ヒゲを剃らないでいて、そのままレコーディングに行ったらスタッフが「あ、いいですね!」と言うので、よし、ヒゲだ、とピンときまして。
ヒゲはとにかく、普通の芸能人と逆で帽子とサングラスはオフタイムには外します。僕は買い物も電車に乗るのも街歩きも大好きなので、フラッと出かけてお店に入り、そのときに気に入ったものを買うんです。靴を買うのも大好きですよ。

――今回、PATRICK のNEVADA-N.GF (ネバダ・ナイロン ガイフ)を履いていただきましたが、いかがですか?

履きやすい! 軽い! なのに、しっかりと地面をつかんで歩いている感じを確かめられますね。PATRICKは以前も愛用していたことがあって、真っ赤な色の、サッカーシューズのモデルだったかな? お気に入りでしたよ。

あなたのMY REBORN ツアーは40年のすべてを網羅

――活動された40年間で、世代を超えて歌い継がれている曲も多いですよね。たとえば「終章(エピローグ)」。

あれは19歳のときに作った歌ですからね。10代から60代まで、世代ごとに違う顔を見せている曲ですが、70代、80代、90代……いっそ100まで歌ってみたらどうなるかな。100まで言ったら本当の「エピローグ」になってるかもしれないけど。チーンなんて仏具の音が入って(笑)。
歌い継がれているといえば、「ふたりの愛ランド」も、最近またフューチャーされていてありがたいと思っています。
僕はこの歌、数え切れないほどの女性とデュエットしましたから。石川優子さんはもちろんですが、プロアマ問わずもう数えておけばよかった。ギネスに載るぐらいの数だと思います。
だってね、ライブが終わって飲みに行くでしょ、店の扉を開けた瞬間、この曲が流れますもん。それでそのまま店のチーママとデュエットですよ(笑)。

――すごい! チーママが羨ましい。受け継がれ歌い続けられていく。音楽の力ですね。

音楽は本当に奥深いです。
東日本大震災のあと、LOVEちゃんというシンガーソングライターのお誘いで復興イベントに出演させてもらうようになったんですが、相馬の方が言った言葉が忘れられません。
「真っ暗なときに怖くて、寒くて。どうしたらいいだろうと思ったときに、自分の好きな歌をアカペラで歌ってました」って。いつの間にか周りの人たちも一緒に歌いだしたそうです。それを伺ったとき、ああ、歌の持つ力はすごいと思いました。うれしいときはもちろん、悲しいときは自分を励ますように歌う。僕らは歌を聞かせる仕事をしていますから、それが人を勇気づけることになるならこんな素晴らしいことはないですよね。
長く歌っていると、ただ歌えばいい、お客さんを喜ばせればいいというところを超えてしまう時があって、そうなると「なぜお前は歌っているんだ?」と哲学的な思考に入り込んでしまう。すると堂々巡りになってしまうので、今は「楽しければいいじゃないか」というふうに自分をシフトしています。

――「feedback」も、聞いている方も楽しくなってきます。

そう、アルバムの音入れのときも「なぜこんなに楽しく歌えているんだろう」と思ったら、戻っているんですね、小学生の、楽しかったあのときに。だからそれでいいのかなと思っています。歌っていればなんとかなる。実際、なってきて、今ここまで来ているし。
ツアーも、時代も年齢も超えてどうやって楽しい時間をお客さんと作っていけるかを考えています。
セットリストですか? もちろん「feedback」は全曲やりますし、僕の40年間の節目節目をお見せする予定です。CHAGE and ASKAからMULTI MAX、ソロまですべて。曲を選ぶのも楽しくてしょうがないんですよ。

writing by Mikiko Arikawa

Chage ニューアルバム「feedback」
2019年8月7日発売決定!
UPCY-7600 / 2,500円(税抜)

◆古き良きR&Rへのリスペクトを込めて、Chage3年ぶりのオリジナル・アルバム。新曲3曲含む、全8曲収録!
◆令和にあえて昭和リスペクト! 3年ぶりのアルバムでは、プロデューサーに西川進と力石理江を迎え、Chageの音楽の原点とも言える、UK R&R、マージービート、サイケデリック・ロックにさまざまなアプローチで挑みます。
◆8月末から最新作をひっさげての全国ツアーがスタート。
 
ユニバーサルミュージックストア
https://store.universal-music.co.jp/product/upcy7600/
 
Chage Live Tour 2019 feedback
https://chage.jp/information/live/detail-326.php

公演日 : 8月31日(土)
会場名 : 名古屋・Zepp Nagoya 開場 : 17 : 30 開演: 18 : 00
お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
 
公演日 : 9月7日(土) 
会場名 : 東京・Toyosu PIT 開場 : 17 : 30 開演: 18 : 00
お問い合わせ:ディスクガレージ 050-5533-0888
 
公演日 : 9月8日(日)
会場名 : 東京・Toyosu PIT 開場 : 14 : 15 開演: 15 : 00
お問い合わせ:ディスクガレージ 050-5533-0888
 
公演日 : 9月13日(金)
会場名 : 福岡・Zepp Fukuoka 開場 : 18 : 00 開演: 18 : 30
お問い合わせ:BEA 092-712-4221
 
公演日 : 9月15日(日)
会場名 : 大阪・Zepp Osaka Bayside 開場 : 16 : 45 開演: 17 : 30
お問い合わせ:YUMEBANCHI 06-6341-3525
 
※全席指定席 8,640円(税込み) ※ご入場の際、別途ドリンク代が必要になります。

プロフィール

Chage(チャゲ)
1958年、福岡県北九州市生まれ。1979年、チャゲ&飛鳥(現・CHAGE and ASKA)でデビュー。翌80年「万里の河」が大ヒット。1984年、石川優子とチャゲ名義で発表した「ふたりの愛ランド」がヒットし、夏の代表的なデュエットソングに。1989年、バンド「MULTI MAX」を結成。2019年8月7日、ニューアルバム「feedback」リリース。